ナオジ×ルーイ
小説 吉野様
『my shiniest star』
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今も鮮やかに覚えている。
あの日、あの眼とあの声に心を射抜かれたことを。
今でもあの声で名を呼ばれるだけで心は僅かに乱れる。
嫌なわけではない。むしろ、嬉しくて。何故だか、とても嬉しくて。
威圧感と高貴さの中に優しさを隠した、この胸に一番響く声。
その声に振り返って、その眼を見つめてしまえばその一瞬でいとも容易く自分は捕らえられる。
この世のものとは思えないほど美しい面立ちと真っ直ぐに澄んだ眼、凍てつくような眼差しの中に確かに青い炎は見えて。
その炎から逃れることなど出来るわけもなく、ただ焦がされる。
それでも、何でもない振りをして笑って見せた。
けれど、ルーイ。それを貴方は知っているのでしょう?
「ルーイ、今日は日本茶もあるのですがいかがですか?」
「ほう?日本茶か、珍しいな」
「ええ、たまたま町で見つけて、つい買ってしまったのですが結構美味しかったのでルーイにも飲ませたくて」
「そうか、ナオジがそう言うなら貰おう」
「ありがとう、ルーイ」
「お前が礼を言うことではあるまい」
貴方は笑いますが自分は本当に嬉しくて、つい御礼の言葉が口に出るのです。
自分がそう言うなら、そう言ってくれた。
さて、ルーイの為に美味しいお茶をいれないと。
「…変わったティーカップだな」
「これも日本の物です。熱いから気をつけて」
ルーイはゆっくり日本茶を味わうと、またゆっくりとカップから唇を離し、その唇の端が少しだけ上がった。
それだけで自分はとても安心した気持ちになれた。
「そんな不安そうにじっと見ずとも良いだろうに。もう少し、自分の腕を信じてやれ」
「お茶をいれる腕をですか?」
自分が小さく笑うと、ルーイは隣りに立ち尽くしていた自分の手首をやんわりと掴んだ。
「お茶をいれるのも、弓を射るのもこの腕だろう?」
「っルーイ…」
「だが、それだけではあるまい?」
「…良いのですか?お茶が冷めてしまいますが」
「お茶はいれ直すなり、いっそ冷やすなりすればいい。私を冷ます気か?」
「いいえ、日本人は勿体ないことが嫌いなんです」
ルーイの手が自分の手首からするりと落ちて、自分は座っているルーイの顔にその手を伸ばして、横からキスを落とした。
そして、そのまま抱きしめた。
キスの最中にルーイの口の端が先程みたいに少し上がったのを感じて自分の口元も緩む。
そこから滑り込ませた舌が絡み合って、ルーイが吐いた息を自分が飲み込んだ。
「ルーイ…貴方を愛しています、とても…誰よりも何よりも」
「知っている」
「…いいえ、ルーイ。貴方が思ってる以上に自分は貴方を愛しています。多分、ずっとずっと強く深く」
「だろうな」
「ルーイ…本当に貴方は…どこまで知っているのですか?そして、どうして拒まないのです?」
「どうして私がナオジを拒む?」
「ルーイ…」
「遠慮などいらん。そんなもの、私は欲していないからな」
そう笑って、ルーイはまた私を射抜く。
自分なんかより余程的確に、いつも的の真ん中を。
「…貴方といると祖国のことを忘れそうになる」
「嘘をつけ。私はそんなお前を見たことはない…一度は見てみたいものだがな」
「…ベッドの上でならご覧になれると思いますが?」
「ナオジがその様なことを言うのは珍しいな」
「そうですね、でも…本心です。ルーイ、貴方を抱きたい」
「ナオジがそれを願うならばそうすればいい、私はお前を拒みはせん」
ルーイはゆっくり立ち上がって、ベッドへと歩いて行く。自分が誘ったはずだが、結局は誘われている。
足が勝手に動くのです。貴方へと向かって無意識に。
これが誘惑でなくて何だというのです。
自分が手を伸ばしても貴方は薄く笑うのでしょう。
貴方は自分が罪悪感など抱かぬよう痛みも苦しみも表すことをしないでしょう。
そうと知っているのに自分はやはり貴方の誘惑から逃れることは出来ないのです。
あの眼とあの声に心を射抜かれた、あの日から。
今もその眼で自分を見据え、その声で自分の名を呼んでくれるなら。
「ナオジ」
ほら、自分は貴方に捕らわれたままでしょう。
END
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誘い受けで拒まないルーイ様〜///vvv
ルーイ様本格受け小説をありがとうございます(〃∇〃) !!
ゲームでもエンディングのルーイ様の台詞で
「拒みはしない」
っていうのがきめ台詞で…
ルーイ様っっそのまんま受け身なんですか!!Σ(@□@
とびっくりいたしたものです(笑)
でも確かにルーイ様が積極的に攻め攻めする姿は想像できなくて
そうか、ゲームのルーイ様も公式的に受けなんだと(笑)納得してしまいました///
そして常にルーイの背後を守ってる、さり気に最強なナオジが
ルーイを深く想ってくれているのが大好きです(*^∇^*)